大学卒業後、企業での勤務を経て、現在は大学職員として働いているアラサー女子です。
今回の記事では、「大学職員 職務経歴書の書き方」について、私自身の経験を交えながらお話ししていきたいと思います。
転職市場では企業の中途採用がクローズアップされがちですが、大学職員の募集案件も実は意外と多いんですよね。
ただ、一般企業と大学とでは職場の文化や求められる資質が異なることも多いので、職務経歴書の書き方にもコツがあるんです。
私が大学職員として働いてみてまず感じたのは、大学独特の組織形態と求められるスキルセットの幅広さです。
たとえば一般企業なら「売上アップ」「事業拡大」など数値で表しやすい成果が多いですよね。
一方で大学では教育・研究支援、学生対応、広報、就職支援、さらには地方創生や企業との連携など、多種多様な業務があり、「どの部署でどんな仕事をしたか」を明確に示すことがとても重要になると感じました。
さらに、大学職員は“縁の下の力持ち”としての役割を担う機会が多いのも特徴でしょう。
学内外のステークホルダーが多いため、一つのプロジェクトを進めるにも複数の部署や関係者を巻き込む必要があったり、事務の正確さと同時にコミュニケーション力が求められたりします。
こうした「総合力」が重要視される一方で、「あなたはこの部署でどう貢献できそうか」という具体性もアピールしないと埋もれてしまいがちです。
そこで、まずは大学職員に求められる特徴やスキル、それをどのように職務経歴書で伝えればいいのか、その全体像を把握することが大切です。
職務経歴書を書く前段階として、どんな手順を踏んでいけばスムーズに書けるのか、そして具体的にどんな項目を入れればいいのか、私の試行錯誤をもとにまとめてみます。
大学職員への転職を考えている方はもちろん、「ちょっと興味はあるけど、実際のところどうなんだろう?」という方にも参考にしていただけたら嬉しいです。
特に女性の方はライフイベントや働き方を見据えたキャリア形成の側面もあると思うので、その辺りもリアルにお伝えできればと思っています。
大学職員の転職事情|企業との違いは?

まずは大学職員の転職市場の動向について。
最近では大学間競争の激化に伴い、より専門性の高い人材や即戦力を求めるケースが増えています。
以前は大学職員というと「公務員のように安定している」「長く勤められる」といったイメージが強かったと思います。
もちろんそういった側面もまだ残っていますが、近年では大学業務も多様化し、「経営」の視点や「企業とのコラボ」「国際化への対応」など、ビジネス感覚を求められることが多くなってきました。
一方で、職務内容は非常に幅広く、学生対応から事務手続き、研究支援や国際交流関連の業務など、多岐にわたるのが大学職員の特長です。
企業の場合、「営業職」「経理職」「人事職」などと役割がはっきり分かれていることが多いですが、大学では複数の業務を経験するローテーション制度を採用しているところも多いため、“なんでも屋”としての柔軟性が求められやすいんですね。
職務経歴書の基本構成
大学職員への転職を目指す場合でも、基本的な職務経歴書の構成は企業向けとそう大きく変わりません。一般的には以下の要素を押さえると良いでしょう。
職務要約
これまでのキャリアを端的にまとめる部分です。
大学職員として活かせる実績や強みを簡潔に示すと、最初に読んでもらう段階で興味を引きやすくなります。
職務経歴(各社・各部署ごと)
在籍していた期間、所属部署、担当業務、具体的な成果・実績などを記載します。
大学が興味を持つのは「どのようなスキルを発揮し、どんな成果を上げたか」という点なので、数字やエピソードを交えながら具体的に書きましょう。
自己PR・志望動機
大学という組織の理念を意識しつつ、「自分が大学職員としてどのように貢献できるのか」を明確にするのがポイントです。
社会における大学の役割をどう捉えているか、自分の経験をどのように生かしたいかをしっかり示しましょう。
企業の職務経歴書との違い
企業に提出する職務経歴書と大学職員向けの職務経歴書では、着目すべきポイントが微妙に異なります。
企業向けの場合は数字で示す実績が重視されますが、大学の場合は「調整力」「多様な利害関係者とのコミュニケーション能力」「事務処理能力の正確性」といった点が重要視されがちです。
もちろん「営業成績を前年比○%アップ」などの具体的な数字も大学側にとっては魅力的ですが、「学内外との連携でプロジェクトを円滑に進めた」「部署間の意見調整を行い、スケジュール管理を徹底した結果、予算と納期を守れた」などのエピソードは、それ以上に高評価を得られることが多いんです。
大学は人と人を結びつける場であると同時に、組織を横断して仕事を進めることが不可欠なので、いかに協調性や調整力を発揮できるかがポイントとなります。
女性目線で考える大学職員の働き方

私自身、女性としてキャリアを考える上で、大学の職場環境はとても魅力的に感じました。
例えば産休・育休の制度が整備されていたり、比較的繁忙期と閑散期が分かりやすい(入試期間や学事日程による)ので、ワークライフバランスを調整しやすいケースが多いんです。
ただし、部署によっては夜間や休日にイベントを行う場合もあり、年末年始や長期休暇に学生対応が必要なケースなど、意外と忙しい時期もあるので注意が必要です。
そういった働き方のメリット・デメリットを踏まえながら、女性ならではの強み(コミュニケーション力、マルチタスク対応力など)をどのようにアピールしていくかを考えるといいですね。
数字とエピソードの両立が鍵
企業向けの職務経歴書では数字が大切だとよく言われますが、大学職員の場合も数字を使った実績はやはり評価されやすいです。
ただし、大学の採用担当者は「この人が学内でどう貢献できるのか」「環境の変化にどう対応できるのか」というストーリーも重視します。
そこでおすすめなのが、「数字」+「エピソード」の組み合わせ。
数字の例
営業職などであれば売上の伸び率、プロジェクトの予算規模、担当したクライアント数など。
事務職なら処理件数や書類の正確性、ミスゼロの継続期間などを示すのも有効です。
エピソードの例
新しい業務フローを提案して実現し、効率をアップさせた。
複数部署との協働でイベントを成功させ、来場者数が目標を達成した。
海外顧客とのやり取りを円滑に進め、プロジェクトをスケジュール通りに完了させた。
職務経歴書の“見やすさ”を意識する
これはどの業界の転職でも大切なことですが、採用担当者が読みやすい職務経歴書にする工夫を心がけましょう。たとえば、次のようなポイントを気にしてみてください。
箇条書きを活用
「成果・実績」「担当業務」をそれぞれ見出しや箇条書きで整理するだけで、ぐっと読みやすくなります。
文量のバランス
1つの業務を必要以上に細かく書きすぎると、全体のバランスが崩れてしまいます。特に重要な業務・実績は詳しく、その他は簡潔にまとめるのがおすすめです。
フォーマットやレイアウト
大学によっては指定のフォーマットがある場合もありますが、自由形式の場合でも文字数や段落を整理し、読み手の負担にならないようにしましょう。
【成功事例】私がやってみたアピールポイント
少し恥ずかしいのですが、私が実際に大学職員の選考を受けた際に書いた“アピール材料”をご紹介しますね。
結果的に複数の大学から内定をいただくことができたので、何かしら参考になるかも知れません。
事務局の新システム導入プロジェクトを主導
企業での総務経験を活かし、部署間調整やベンダーとの折衝を担った。
想定より1ヶ月早く導入が完了し、年間コストも当初見積もりより10%削減。
海外支社とのコミュニケーションハブとして活躍
日常会話レベルの英語力しかなかったが、こまめに連絡を取り合い、スケジュール調整と情報共有を徹底。
その結果、データや資料の翻訳精度が高まり、業務のミスが大幅に減少。
こうした成果は「エピソード+数字」でまとめやすく、私の場合は**「調整力・コミュニケーション力」という部分が大学職員に向いている**と評価されました。私自身も「学生や研究室の先生方とのやり取りが多い業務で、このスキルが生きるかもしれない」と思い、あえて強調しています。
女性ならではの強みをどう活かす?
大学職員は男女関係なく活躍できる職場ですが、女性の強みも活かしやすい環境だと思います。
特に柔軟性や共感力、細やかな気配りは、学生や教員と接する際にとても役立ちます。
私も以前、企業での営業アシスタントをしていた時期がありましたが、そのときに培った“先回りしてサポートする力”は大学に来てからも大いに役立ちました。
ただし、応募書類では「女性だから」という書き方をするのではなく、具体的なエピソードや実績として示すことが大切。
「男性・女性の区別なく、どのような場面で組織に貢献できたか」を客観的に伝えると、採用担当者の印象に残りやすいですよ。
職務経歴書の最終チェックポイント
職務経歴書を書き上げたら、最後に以下のポイントをチェックしましょう。ちょっとした見直しで、印象は大きく変わります。
誤字脱字や表記の統一
基本的なことですが、採用担当者が最初に目にする書類だからこそ、誤字や脱字は厳禁です。
大学職員は事務作業の正確性が求められるポジションも多いため、余計に注意が必要。
表記ゆれ(「~する」「~します」などの文体の混在)があると読みづらさが増すので、文章全体のトーンも統一しましょう。
大学側が求める人材像とのマッチング
採用ページや募集要項を改めて見直し、「求める人物像」や「応募資格」をもう一度確認しましょう。
「国際交流に強い意欲を持った人材」「学生サポートの業務経験がある人」など、大学ごとに微妙に異なるニーズがあります。
それに合わせて、強調すべき実績やエピソードを再点検してくださいね。
自己PRや志望動機の一貫性
職務経歴書と履歴書、さらには面接での受け答えがチグハグにならないように整理しておくことが大切です。
自分が“大学で何をしたいのか”“どんなキャリアを築きたいのか”を改めて言葉にし、一貫して伝わる内容かどうかを確認してください。
まとめ
大学職員への転職を成功させるポイントは、自分の経験やスキルを“大学の未来や学生の成長”にどう貢献させるかを明確に示すことだと私は思います。
企業で培った実績やコミュニケーション力、チームワーク、リーダーシップなどは、必ず大学組織で生きるはず。
職務経歴書ではそこをしっかり強調し、「大学のミッションに共感し、積極的に貢献したい」という熱意を示すと良いでしょう。
私は転職活動中、何度も「自分のやってきたことは、大学でどんな形で役に立つのかな?」と自問自答していました。
営業で培った人脈づくりのスキル、事務作業を効率化するアイデア、チームのモチベーションを高めるリーダーシップ……。これらを“教育や研究のサポート”にどう応用するかを考え、職務経歴書や面接でできるだけ具体的に伝えた結果、複数の大学から内定をいただくことができました。
そして、今こうして大学職員として働いてみると、まさに日々の業務の中で自分のキャリアが活きていると実感します。
学内外の人との連携を図りながら、新しい価値を生み出すプロセスはとても刺激的。
安定感がありつつもチャレンジ要素があり、“自分の人生”という観点でも満足度が高いです。